メールサーバを構築した後の動作確認はどうやっていますか?
Thunderbird や Outlookでメール受信できなかった場合、これらのソフトの設定の問題か、サーバ自身の問題かの切り分けが困難です。
そこで、Windowsのtelnetコマンドを使ってメールサーバの動作確認をする方法を紹介します。
なお、メールサーバの設定については下記を参照してください。
CentOS6でのメールサーバの設定(postfixその1)
CentOS6でのメールサーバの設定(postfixその2)
CentOS6でのメールサーバの設定(dovecot)
POP3の場合
Windowsのスタートメニューのアクセサリから、コマンドプロンプトを起動した後、以降のコマンドを入力します。
赤字は入力する箇所、緑字はコメントです。
telnet メールサーバ名 110 +OK POP3 ready. USER ユーザ名 +OK PASS パスワード +OK Logged in. LIST +OK 644 messages: 数字部分はメールサーバ内のメールの数です 1 1236 2 1380 3 1380 : メールの数だけ表示されます . QUIT +OK Logging out.
telnetで接続が失敗する場合
「接続中: メールサーバ名…ホストへ接続できませんでした。 ポート番号 110: 接続に失敗しました」と出て、telnetの接続が失敗する場合は、以下を確認して下さい。
(1)メールサーバのファイアウォールでブロックしていないか
メールサーバのiptables等でPop3(110番ポート)への接続が許可されているか確認して下さい。
iptablesの設定については、iptablesサンプル を参照してください。
(2)メールサービスが起動しているか
メールサーバ上で pidof dovecot 実行してください。
メールサービスが起動している場合は、下記のようにプロセスIDが表示されます。なお、数値部分は環境により異なります。
表示されない場合は、dovecot が起動していません。
nbsp;pidof dovecot 30693
(3)POP3で接続が可能になっているか
メールサーバ上で netstat -n -a|grep “:110” を実行し、下記のように表示されるか確認して下さい。
表示されない場合は、/etc/dovecot/dovecot.conf で protocols = のオプションで pop3 が記述されているか確認して下さい。
netstat -n -a|grep ":110" tcp 0 0 0.0.0.0:110 0.0.0.0:* LISTEN
PASSコマンド実行で、-ERR Authentication failed. と表示される場合
USERコマンドで指定したユーザが存在しないか、パスワードが間違っています。
IMAPの場合
Windowsのスタートメニューのアクセサリから、コマンドプロンプトを起動した後、以降のコマンドを入力します。
赤字は入力する箇所、緑字はコメントです。
telnet メールサーバ名 143 * OK [CAPABILITY IMAP4rev1 LITERAL+ SASL-IR LOGIN-REFERRALS ID ENABLE IDLE STARTTLS AUTH=PLAIN AUTH=LOGIN] POP3 ready. 1 LOGIN ユーザ名 パスワード 左端の数字も忘れずに入力して下さい 1 OK [CAPABILITY IMAP4rev1 LITERAL+ SASL-IR LOGIN-REFERRALS ID ENABLE IDLE SORTSORT=DISPLAY THREAD=REFERENCES THREAD=REFS MULTIAPPEND UNSELECT CHILDREN NAMESPACE UIDPLUS LIST-EXTENDED I18NLEVEL=1 CONDSTORE QRESYNC ESEARCH ESORT SEARCHRES WITHIN CONTEXT=SEARCH LIST-STATUS] Logged in 2 list "" * * LIST (\HasNoChildren) "." "INBOX" 2 OK List completed. 3 select INBOX * FLAGS (\Answered \Flagged \Deleted \Seen \Draft) * OK [PERMANENTFLAGS (\Answered \Flagged \Deleted \Seen \Draft \*)] Flags permitted. * 644 EXISTS * 0 RECENT * OK [UIDVALIDITY 1337004338] UIDs valid * OK [UIDNEXT 747] Predicted next UID * OK [HIGHESTMODSEQ 1] Highest 3 OK [READ-WRITE] Select completed. 4 fetch 1 body[] * 1 FETCH (UID 1 BODY[] {1317} メールの内容がヘッダーも含めて表示されます 4 OK Fetch completed. 5 logout * BYE Logging out 5 OK Logout completed.
telnetで接続が失敗する場合
「接続中: メールサーバ名…ホストへ接続できませんでした。 ポート番号 143: 接続に失敗しました」と出て、telnetの接続が失敗する場合は、以下を確認して下さい。
(1)メールサーバのファイアウォールでブロックしていないか
メールサーバのiptables等でIMAP4(143番ポート)への接続が許可されているか確認して下さい。
iptablesの設定については、iptablesサンプル を参照してください。
(2)メールサービスが起動しているか
メールサーバ上で pidof dovecot 実行してください。
メールサービスが起動している場合は、下記のようにプロセスIDが表示されます。なお、数値部分は環境により異なります。
表示されない場合は、dovecot が起動していません。
nbsp;pidof dovecot 30693
(3)IMAP4で接続が可能になっているか
メールサーバ上で netstat -n -a|grep “:143” を実行し、下記のように表示されるか確認して下さい。
表示されない場合は、/etc/dovecot/dovecot.conf で protocols = のオプションで imap が記述されているか確認して下さい。
netstat -n -a|grep ":143" tcp 0 0 0.0.0.0:143 0.0.0.0:* LISTEN
LOGINコマンド実行で、NO [AUTHENTICATIONFAILED] Authentication failed.
と表示される場合
指定したユーザが存在しないか、パスワードが間違っています。
参考
telnetによるPOP3アクセス – HackingWiki
POP3コマンドの一覧
telnetでメールを読む(IMAP): 月夜の散歩
インターネット・プロトコル詳説(8):IMAP4(Internet Mail Access Protocol version 4)~前編 – @IT
コメント
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